JX金属 採用情報

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グローバル展開のための人材育成
*本記事は、2014年6月4日に行われた座談会の内容に基づくものです。社名や役職名、数字などは当時のまま掲載しています。

JX日鉱日石金属グループは「銅を中心とするグローバル資源・素材カンパニー」を目指しています。
その実現のためには、海外事業の競争力強化を担う内外人材の育成が必須ですが、その過程では、文化も風習も異なる現地の考え方を理解するとともに、日本の価値観も浸透させていく必要があるという難しい舵取りが要求されます。
海外事業所のトップに、これらの課題に関する取り組みや問題点について語ってもらいました。

【米国】桑原 真砂

JX Nippon Mining & Metals USA, Inc. 社長

【台湾】諏訪邉 武史

台湾日鉱金属股份有限公司 総経理

【蘇州】荒牧 惠明

日鉱金属(蘇州)有限公司 董事長総経理
(兼)無錫日鉱富士精密加工有限公司 董事長総経理

【韓国】髙橋 一成

JX Nippon Mining & Metals Korea Co., Ltd. 常務理事

八牧 暢行

JX日鉱日石金属株式会社 取締役 副社長執行役員

太田 達二

JX日鉱日石金属株式会社 執行役員 広報・CSR部長

藤井 裕修

JX日鉱日石金属株式会社 人事部長

司会金田 奈緒

JX 日鉱日石金属株式会社 広報・CSR部主任

各事業所の概況について

金田日本とは異なる多様なバックグラウンドや価値観を持つ海外の人材活用が、今後のさらなるグローバル展開には欠かせません。まず、各海外事業拠点の概況についてご紹介いただけますか。

桑原(米国)私の所属するJX Nippon Mining & Metals USAは、アメリカ南西部のアリゾナ州にあり、従業員数は約80名(うち日本人7名) 、1990年に設立され、フラットパネルディスプレイ用や半導体用ターゲットなど電材加工製品の製造・販売を行っています。

諏訪邉(台湾)台湾日鉱金属は台北近郊に位置し、従業員は約230名(うち日本人13名)。 1989年に伸銅品等のコイルセンターとしてスタートしましたが、その後、フラットパネルディスプレイ用や半導体用ターゲット材の加工、リサイクル原料の集荷など業容を拡大してきました。

髙橋(韓国)JX Nippon Mining & Metals Korea は、ソウルの南80km程度のところにあり、従業員数は約90名(うち日本人3名)。 2004 年に設立され、フラットパネルディスプレイ用や半導体用ターゲット材の製造販売が中心です。

荒牧(蘇州)中国の上海近郊にある、日鉱金属(蘇州)と無錫日鉱富士精密加工の2社を担当しています。このうち蘇州は従業員数約350名(うち日本人12名)2003年より精密圧延事業と、プレス・めっきの精密加工事業を展開しています。

会社名 JX Nippon Mining & Metals USA, Inc. 台湾日鉱金属股份有限公司 JX Nippon Mining & MetalsKorea Co., Ltd. 日鉱金属(蘇州)有限公司
所在地

アメリカ アリゾナ州チャンドラー市

台湾 桃園県龍潭龍園韓国

京畿道ピョンテック市中国

江蘇省蘇州工業園区

資本金 5百万米ドル 63.5百万台湾ドル 2,400百万ウォン 592.8百万人民元
設立時期 1990年 1989年 2004年 2003年
事業内容 スパッタリングターゲットの加工・ 輸入・販売および化合物半導体の 輸入・販売 電子材料製品の製造・販売、金属 加工製品のスリット・販売、工業品 の販売、金属スクラップおよび故 銅などの集荷・販売 スパッタリングターゲットの加工・販売 ステンレスの精密圧延・精密プレス・精密めっき、伸銅品のスリット・溶接組み立て
従業員(2014年3月末現在) 約80名 約230名 約90名 約350名
会社名所在地資本金設立時期事業内容従業員
(2014年3月末現在)
JX Nippon Mining & Metals USA, Inc.

アメリカ アリゾナ州チャンドラー市

5百万米ドル1990年スパッタリングターゲットの加工・ 輸入・販売および化合物半導体の 輸入・販売約80名
台湾日鉱金属股份有限公司

台湾 桃園県龍潭龍園韓国

63.5百万台湾ドル1989年電子材料製品の製造・販売、金属 加工製品のスリット・販売、工業品 の販売、金属スクラップおよび故 銅などの集荷・販売約230名
JX Nippon Mining & MetalsKorea Co., Ltd.

京畿道ピョンテック市中国

2,400百万ウォン2004年スパッタリングターゲットの加工・販売約90名
日鉱金属(蘇州)有限公司

江蘇省蘇州工業園区

592.8百万人民元2003年ステンレスの精密圧延・精密プレス・精密めっき、伸銅品のスリット・溶接組み立て約350名

相互理解による各国文化と JX日鉱日石金属の企業文化の融合

金田現地での採用・教育においては、日本的ガバナンスあるいはJX日鉱日石金属の企業文化への理解が鍵になると思われますが、どのような点を考慮されていますか。

桑原(米国)ガバナンス関連でたくさんの規則類が日本から送られてきますが、正直、日本人の私でも難解なものがあります。それを現地従業員へ浸透させるには、かなりの時間を要するというのが実態です。社長になる能力を持つ人材は現地にもいると思いますが、日本側とのコミュニケーションが条件に加わると、なかなか大変だという印象です。

髙橋(韓国)現地従業員の安全面への意識が不十分だと感じることが多々あります。安全の話をしていると、よく韓国語で「大丈夫だよ」という言葉が発せられます。私は、コンプライアンスや安全には国による多様性は認めない方がいいと考えているため、日本式を踏襲するようにしています。私たちが規範を示しながら、時間をかけて浸透させていくしかないと考えています。

荒牧(蘇州)蘇州で行っている精密圧延事業は国内の生産拠点である倉見工場から、精密加工事業も国内のJX金属プレシジョンテクノロジーから、技術やノウハウを導入しています。現地の幹部社員は全員日本語が話せますが、言葉では伝わらない、微妙なニュアンスを理解してもらうのに苦労しました。これは、受け手である現地従業員以上に、伝える日本側の力量が問われることになります。

諏訪邉(台湾)現地化はいずれ目指すべき姿ですが、日本側とのコミュニケーションを考えた場合、当面は、最低数の日本人は必要だと考えています。当地で担当している各事業の中で必ずしも日本人がトップである必要はありませんが、橋渡し役は必要です。

太田安全やコンプライアンスのように変えてはいけない価値観がある一方で、日本側にも現地側にも変わっていかなければならない部分があるということですね。そのためには、実体験を伴った相互理解をより深めていくことが重要ではないでしょうか。

荒牧(蘇州)日本への出張だけでも現地従業員のモチベーションは大きく上がります。実際に国内の生産拠点である日立事業所や倉見工場を見学した彼らはとても感激し、仕事に良い影響が出ています。ぜひ日本での長期研修をやりたいと考えています。

藤井現在、本社の若手社員に対してはレベルに応じた語学研修を行っています。単なる外国語の習得だけではなく、日本とは異なる文化を体験し理解することにより、将来海外事業を担う戦力に厚みを持たせるという意図があります。その一方で、今の皆さんのお話をお伺いし、現地の幹部社員が数ヵ月でも日本で研修できるような体制を整備し、日本と現地の双方で人材を育てていく環境を充実させる必要があると思いました。ぜひ検討したいと思います。

太田双方向の人材交流が非常に大切ですね。将来的には、事業がよりグローバルになり、現地の人材を本社の経営層に迎えたり、海外にグローバル本社を設立するような可能性もあるでしょう。これからは「日本の本社」と「現地の事業所」というような関係でなく、JX金属グループが一体となって将来ビジョンを持って人材育成を進め、当社の企業文化をうまく現地の文化に融合させていくことが必要だと思います。

八牧そういった観点から、現地駐在員には、いわばJX日鉱日石金属の企業文化の伝道師としての役割も求められると言えるでしょう。すなわち、製造・販売面での競争力の源泉となる技術やノウハウのみならず、コンブライアンスや環境安全などを含めた「JXグループ行動指針」や「JX日鉱日石金属企業行動規範」、さらに言えばそれらを包含したJX日鉱日石金属のDNAを現地と共有化するという使命も持っていると言えます。

コミュニケーション

金田現在、当社は世界10力国以上に生産拠点や営業拠点を構えており、グループ社員の約3割は海外事業所の従業員です。今後、さらにその割合が増えていく中でJX日鉱日石金属のDNAを共有していくには、語学力を超えた能力が求められると思います。実際にその任に就かれている皆さんは、何が重要だとお考えですか。

桑原(米国)米国では仕事の能力が重要であるのはもちろんですが、前向きで積極性のある性格が好まれます。また、フレキシブルに物事を考えられる人がいいですね。

髙橋(韓国)やはりコミュニケーション能力だと思います。もちろん現地の言葉を話せるにこしたことはありませんが、もっと重要なのは、相手の立場に立って考えることができるということです。相手の話をきちんと聞いた上で、こちらの言いたいことも伝えることができる能力です。

荒牧(蘇州)私は製造畑の人間ですので現場を重視します。製造に関する正しいやり方や心構えなど、当社が長い歴史の中で培った現場のDNAをしっかりと伝えることができる人材を求めます。

太田本社の幹部候補生は、できるだけ若いうちに海外の事業所を経験していただきたいと思っています。海外では若手でもマネジメントに近い立場で事業を俯瞰することができます。この経験は、日本に帰ってからはもちろん、再び海外に赴任した際にも活かすことができ、当社のグローバル化に大きく貢献します。

八牧今回は海外事業所のトップの方々にお話しいただきましたが、国内事業であっても、原料の調達から製造・販売に至るまで、かなりの部分を海外に依存しています。今後さらにグローバル化が進展する中で、日本と海外現地との密なコミュニケーションによる相互理解がこれまで以上に重要になってきます。現地の情勢は時々刻々と変化します。その変化にきちんと対応し競争力を確保していくためには、やはり当社グループのDNAを共有した人材の育成と活用が欠かせません。日本から海外へ派遣する人材の量と質を高め、それと同時に現地の人材を日本へ招く仕組みもさらに充実させる必要があります。これまで、海外事業所の運営は各事業部に任せる形が多かったのですが、コーポレート部門も深く関与しながら当社グループ一体となって対応していく必要があると認識しました。

金田本日はありがとうございました。

開催日/2014年6月4日