社員紹介
2005年 新卒入社
理学部 地球科学科(岩石・鉱物学)卒
鉱山の操業に貢献する。
JX金属のグループ会社であるJX Nippon Mining & Metals Chile SpAで探鉱業務を担当しています。日本人技術者とローカルのチリ人スタッフが在籍しており、主にJX金属が中心となって操業するカセロネス鉱山周辺の探鉱、その他自社鉱区の地質調査、他社とのジョイントベンチャー案件(※)の評価などを行っています。ミッションはカセロネス鉱山周辺で有望な鉱徴地を見つけ、操業に貢献すること。そしてカセロネス鉱山の次なるプロジェクトを発掘すること。具体的な仕事内容は、地質調査をはじめ物理探査、地質モデリング、鉱量計算など幅広いため、多種多様な知識が必要となります。私は部門長として探鉱方針の作成、部下の労務管理、他社との交渉にも携わっています。
※ジョイントベンチャー案件:複数の企業が出資し、共同で興す事業のこと10年におよぶプロジェクト。
探鉱は各探査データを検討して仮説を組み立て、それを検証していく仕事です。自然を相手にするため思い通りにいかないこともありますが、仮説が証明されたり、期待以上の品位を確認できたりしたときは安堵と同時に嬉しい気持ちがこみ上げます。鉱山開発は、探鉱に始まり採掘方法の検討、選鉱試験、経済性の評価、建設、採掘準備に至るまで、およそ10年を要する非常に準備期間の長いプロジェクトです。幸運にも、私はこれまでに二度もカセロネス鉱山で働くことができています。これは今まで鉱山の開発や操業に尽力された諸先輩方のおかげです。鉱山での経験は一生の財産となります。今後、後輩社員が私と同じ経験ができるよう新規プロジェクトの発掘に努めたいと考えています。また、個人的な話ですが、子どもたちが私の仕事について面白そうに話を聞いてくれることもやりがいだったりします。
コミュニケーションを大切にする。
海外における初の地質調査やカセロネス鉱山のファーストカソード(※)に立ち会えたことは印象的です。ただ最も印象深い出来事は、一度目のチリ赴任で同僚であるチリ人スタッフを激怒させたことです。ある仕事について指示をしたところ、突然怒りだしてしまったのです。原因は私の言葉の表現にありました。直接的過ぎるスペイン語の言い回し、彼の上司でないにもかかわらずつい発してしまった強い口調……。それら一つひとつがチリという異なる文化に適していなかったのだと思います。外国はもとより日本であっても、普段からのコミュニケーションが大切になるということを学んだエピソードです。その後、彼とは良い関係を築けており、今でもたまに家に招待してもらう仲です。
※ファーストカソード:カセロネスのSX-EWプラントで最初に生産した電気銅そのすべてを力に変えて。
カセロネス鉱山はJX金属が中心となって操業する大規模海外銅鉱山です。その探鉱から開発まで手がけたこと、何よりこの鉱山が現に今も操業しているという事実は、間違いなくJX金属の強みです。数々の成功体験を通じて社員はもちろん、会社としても成長してきた実感があります。もっとも、それ以上に失敗も経験してきました。ただ、それらすべての経験は常にチャレンジしたからこそ得られたものです。培ってきたあらゆるノウハウは探鉱やその他プロジェクトの評価、新規鉱山開発に役立てることができます。成功も失敗も社員一人ひとりにとって重要な意味があり、次に進む道標になります。また、JX金属グループには技術開発センターや技術コンサルティングを担うグループ会社のJX金属探開株式会社があり、優秀な技術者が多く在籍しています。数多の課題に対して、さまざまな機関と共創する──。その総合力もJX金属の大きな強みだと思います。
開発プロジェクト
※斑岩銅鉱床:花崗岩質の半深成岩に伴う大規模・低品位の銅鉱床