社員紹介
2016年 新卒入社
理学部 地球惑星システム学専攻 修了
学生時代は大地震発生のメカニズムを実験的に解明する研究をしていました。主な対象は、1974年に伊豆半島周辺で発生した大地震です。地震発生原因と考えられる岩石を用いて高温・高圧の地震発生面近傍の環境を再現し、摩擦試験を実施。中国地方や四国地方の断層や岩石を調査することが多く、研究室のメンバーや学科の仲間と車で移動しながらフィールドワークに没頭していました。JX金属を知ったのはOB・OG訪問会です。その後、説明会にも参加しました。他にもいくつかの企業の説明会を訪れましたが、とりわけJX金属の先輩社員の方々は印象的でした。就活生からの質問に対して親身に受け答えしている姿、仕事のやりがいを熱く語る横顔。「自分もこんな人になりたい」と心から思い、入社を志望しました。
品質・生産性の改善を目指す。
神奈川県倉見工場に勤務しています。倉見工場では圧延銅箔などの機能材料をつくっています。私の所属する製造第1課は、各種機能材料を製造するための原料の溶解・鋳造から素条までの上流の工程を担当します。中でも素条工程を担う素圧延係の品質、生産性の改善が私のミッションです。素条工程では、長さ5000mm・幅600mm・厚み200mmからなる銅を主成分とした金属の塊「インゴット」に、熱間圧延や焼鈍、面削、冷間圧延を施すことで、厚さ1.5mmまで加工します。多様な設備の特徴や構造を理解した上で、歩留まり改善・生産性向上、そして開発材の素条工程条件確立を目的とした試験を実施し、標準化を目指しています。使用する圧延ロールや面削カッターを研削する工程にも関わるため、さまざまな種類の設備を扱うということも私の仕事の特徴かもしれません。
倉見工場は多くの設備を所有しています。不具合が生じた際は即座の対応が求められますし、生産スケジュールの変化によって試験計画変更の事案も発生します。臨機応変な対応力が必要になるので、難しい場面は多いです。また、工場内における上流の工程に携わるため、下流の工程で問題が確認されるまでのタイムラグに注意しながら品質管理を行う点にも難しさを感じます。
でも、難しいからこそやりがいを感じられる仕事です。今まで判明していなかったメカニズムを解明したとき、改善によって効果が出たとき、現場オペレーターの作業性を改善できたとき──。そんな数々の場面で感じる喜びは何物にも代えがたいです。さらに製造現場での試験や改善の結果はデータだけでなく、現物を自分の目で見てダイレクトに実感できます。そこもまたこの仕事の醍醐味だと思います。
成長していきたい。
経験を重ねるうちに素圧延係の設備に関する知識が増え、設備改善に向けて注目すべきポイントも分かってきました。ここ数年で製造設備のIoT化も格段に進み、これまで確認できていなかったデータも採取可能となりました。これからも柔軟に物事を考えながら、努力を怠らず、効果的な改善が実現できるよう邁進していきたいです。
近年では一層製品を薄く、かつ軽量化していく動きが加速しています。私の部門だけでは解決できない品質課題も増えているため、部門の垣根を越えて情報共有を行うなど、工場一丸となって品質改善・生産性向上を目指したいです。最後に、もう一つ。最近、初めて後輩ができました。同じ職場で働く者同士でしか分からない苦労や大変さがあると思うので、安全面に気を配りながら精一杯フォローするとともに自身も成長していきたいです。
信頼関係。
入社して間もない頃、チタン銅の溶解鋳造設備管理の主担当を任され、品質改善プロジェクトに携わりました。チタンは高温条件下において酸素との親和性が非常に高い素材です。その溶解鋳造設備は他の設備に比べて複雑な構造をしており作業の難易度が高いため、設備の構造や操業条件について必死に勉強しました。立ち合い試験にも積極的に参加し、多くの時間を現場の方々とともに過ごしました。現場の方々とは試験依頼時などのさまざまな場面で関わります。年上の人ばかりなので、最初はどこか遠慮してしまい距離を感じることもありました。でも、自ら果敢にコミュニケーションを取った結果、大なり小なりさまざまな情報や意見を気軽に交換できるまでの関係性を築くことができました。最終的には、当初掲げていた目標を達成。喜びはひとしおでしたね。仕事は一人で行うものではなく、多くの方々と一致団結して進めていくもの。コミュニケーションの大切さをひしひしと感じたエピソードです。
(製造・生産技術)