社員紹介
2009年 新卒入社
工学府 地球資源システム専攻 修了

私の所属している資源事業部は、非鉄金属の安定供給をミッションとして、JX金属のベース事業である銅・金鉱山の操業管理、優良な鉱山開発プロジェクトへの新規参画、その他にも多様な金属を対象とした鉱山探鉱を行っています。現在、日本は非鉄金属資源の大半を海外に依存しており、また、多くの非鉄金属資源の安定的な確保は困難な状態です。これらの資源は偏在性やカントリーリスク、価格・為替変動リスクに加え、開発プロジェクトの巨大化、鉱石の低品位化・難処理化、国際的な資源獲得競争の激化等に伴う開発費の高騰など、さまざま要因が影響しています。私は主に日本とチリにおける採鉱パートに関わるデータ分析やそれに基づいた提言を行い、操業をサポートしています。新規案件については、採掘方法や生産計画のレビューなどを通じて評価を行っています。
私の仕事は、常に自然と向き合います。それはつまり、予期できない「未知なる物事」と向き合うということ。例えば、鉱山にて岩石を破砕する「発破」を実施する際、それまでと同じ条件であっても、全く異なったサイズの鉱石が得られる場合があります。自然という、さまざまな条件が複雑に絡まったものを対象にして、知識と経験で問題を解決していくことは非常にチャレンジングな業務であり、私がこの仕事に惹かれる理由でもあります。そのほか、4000mを超える高地での業務はもちろん、建物より大きなダンプトラックや大型重機、破砕プラントの使用など、この仕事をしていないと経験できないことが多く、私にとっては大きな魅力です。一方で、私たちの業界では市場(LME)で製品の価格が決まるため、順調に操業が進んでも利益が出ないことがあります。しかし、どれだけ不利な状況下でも、外部要因のせいにして諦めるのではなく、コストを下げるなどの努力を続けていくことが、大切だと考えています。
入社7年目の頃、チリにてカセロネス鉱山の操業に携わりました。その際、チリ人の上司・同僚とともに新しい採掘基準を策定したことが印象に残っています。もともとカセロネス鉱山の採掘は、選鉱場での銅精鉱の回収を最大化させるというミッションを担っていましたが、途中で大きく舵を切りました。それは銅精鉱+カソードでの収益最大化という、事業としての方向転換です。当時の私では知識や経験が乏しく、多くの困難に直面しました。それでも「プロジェクトの価値を上げる」という一つの目標に向かい、言葉や文化の壁を越えて、関係者と議論を重ねました。このときに習得した知識や経験は、現在のプロジェクト評価などにも生かされていて、技術的にも成長できました。
「銅を一貫して取り扱う」という点は、JX金属が有する優位性の一つです。鉱山で生産された鉱石や精鉱が製錬所へ渡り、製品化され、ユーザーの元に届く。その一連のダイナミックな流れを間近で体感できる環境は、なかなかないと思います。チリのプロジェクトでは、日本の各事業所から多くの人が集まるため、幅広いプロフェッショナルたちとともに仕事ができる機会に巡り合えます。また、私が在籍する資源事業部内は意見を発信しやすい人間関係が築かれています。知りたいことや気になったことを、上司や同僚、後輩など立場の枠を越えて相談し合える雰囲気があるため、いたるところに成長機会があると思っています。そんなところもJX金属で働く上での大きなメリットになると思っています。


